約 301,140 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2128.html
第三話:違法姫 『紫貴、石火の援護射撃で牽制してもらって、お前はブレードであいつを叩き斬れ。遠距離武器は違法改造されてはいるが、連射性能は改善されていない。意識して避ければそれほど驚異じゃないはずだ。むしろ奴のイリーガルとしての運動性能を活かした接近戦を注意しろ』 「了解!」 紫貴は石火にアイコンタクトすると、彼女が放ち始めるアサルトカービンによる援護射撃の中、ブレードによる突撃を始める。 アーンヴァルはユニホーンの再生能力によって石火の攻撃を気にも止めず、そのまま、レイディアントボウをもう一度、放つ。 矢は接近を試みようとしている紫貴に向かっていくが、俺の忠告を聞いていた紫貴はそれをぎりぎりで避ける事で攻めの勢いを押し殺すことなく、前に進んでいく。 アーンヴァルはそれに舌打ちした。本来のアーンヴァルの反応とはまるで違う。共通点は敬語ぐらいなものである。それも嫌みのためにしか使っていそうにない。 彼女はその直後、遠距離で倒すことを諦めたのか再びバルムンクに持ち変え、迎え打つべく構える。 接近に成功した紫貴はブレードを横薙ぎに放つ。その攻撃にアーンヴァルは上へ跳躍する事で回避し、さらに落下で勢いをつけてそのまま、急降下攻撃を仕掛けた。 紫貴はそれに気づかない訳もなく、サブアームでその攻撃を弾く。 そこに石火のアサルトカービンが放たれる。その攻撃は空中を舞うアーンヴァルを的確に捉えるが、その傷はユニホーンによって治療されてしまう。 相変わらずのチート性能である。 「市販品のくせになかなかやりますね。私の力を試しきれませんからそうでないと困るのですが」 「試す?」 「私の力をここにいる腐りきった神姫共に見せ付けて、オーナーの事をいじめる奴らに認めてもらうんです。そのためには! 神姫を一人でも多く! 潰す!!」 紫貴に話しかける中、アーンヴァルは容赦なく、バルムンクによる連続攻撃を仕掛ける。 さすがはイリーガルの運動性能であり、素早い動きに紫貴が翻弄されている。いくら試作機とは言え、性能はあくまで違法を超えるものではないのだ。 「くっ……」 紫貴はアーンヴァルの連続攻撃をブレードで防御するがイリーガルの力は強大であり、そのまま押し飛ばされる。 さらにあろう事か、レイディアントボウが背中から分離して浮き、自動的に矢を精製して、放ち始めた。 紫貴はそれをサブアームで防御したり、ブレードで切り落とすなどの迎撃に出る。石火もアサルトカービンで牽制をかけてくれているが迎え撃つにしても捌ききれておらず、疲弊していっていた。 「死ねぇっ!!」 連撃の中、アーンヴァルが突きを仕掛けてきた。武器が大振りであり、隙が生じやすい事を知っての攻撃だ。このままでは紫貴が危ない。 その瞬間、アサルトカービンではないたった一つだけの銃声がした。それはアーンヴァルの角をへし折り、彼女の攻撃を中断させた。 紫貴はその隙に後退し、銃声の方を向く。その音を放ったのはいつの間にか手に拳銃を取り戻している石火だった。紫貴によって捨てさせられた拳銃をアーンヴァルに相手にされていない事をいい事に援護射撃をしながらも探していたのだ。 「自慢の角、へし折らせてもらったよ?」 「貴様ぁ!!」 石火の軽口と一撃に激怒するアーンヴァルはスキルを発動させるかの如く、CSCの輝きを発して見せるとユニホーンを再生させた。 「嘘!?」 「あら、再生機能付きか。でも、角を折ると効果はあるみたいだから何度でもへし折るよ!」 驚愕する紫貴を尻目に軽口を崩さない石火は紫貴にアサルトカービンを返し、また、ユニホーンを狙撃してみせるが、また再生する。これではキリが無い。 「オーナー! 一体これはどういうことなのよ!? イリーガルじゃないの!!?」 『わからん。何とか考えてみるからもう少し持ちこたえてくれ』 「早くしてよ!」 「ああ。すまない」 紫貴と石火が持ちこたえる間、俺は考える。 このアーンヴァルは一体何を考えているのだろうか。話の内容からすると自分の事をバカにする奴らを見返すために神姫を狩っている様だが、こんな性能のある神姫なら、こんなことをせずにそのいじめてくる奴の神姫を直接やればいい。にもかかわらずそれをしないとなると何か理由があると考えた方がよさそうだ。 だとしてこのイリーガルは何だ? さっきからアーンヴァルの公開情報を引き出しているのだが、パーツチェックも、AI審査もしっかり合格した神姫だ。しかし、次々と再生するユニホーンのデータがない。 まるでどこからか転送されて後付けされたかの様な、あって無い物となっている。 どこの野郎かは知らんが、ハッキングをしてこの情報を書き換えているか、何か強さの種を持っているとみるのが妥当だ。何かないのか? 『紫貴。何か、あのイリーガルに普通の奴が付けていなさそうな物はないか? このイリーガル、何かタネがあるぞ』 「タネ……?」 紫貴は激しいアーンヴァルの攻撃の中、彼女の装備を確認する。バルムンク、レイディアントボウ、レイディアントアーマー一式、それと……。 「何かチョーカーを付けてるよ。紫で星っぽい形をしているのが光ってる」 俺はそれを聞いてすぐに敵の装備項目を確認する。そこにはイリーガルマインドというらしい装備の名前があった。 確かこれはイリーガルの口調を再現するための言語ロジック変更装備のはずだ。それに光るなんて仕様はなかったはず。おそらくはこれが原因と考えるのが妥当そうだ 『……そいつだ。それを何とか壊すんだ』 「うん!」 「何だって?」 「あの首のチョーカーを壊せば再生が止まるって!」 「なるほど。じゃあ、ちょっとその自慢のサブアームであの子を掴んでくれない? さすがに首で、チョーカーだけ破壊するとなると難しいからさ」 「わかった!」 石火と打ち合わせた紫貴は俺の言葉どおり、イリーガルマインドを破壊するために動き出した。 まずは戻ってきたアサルトカービンで石火と共に牽制射撃を仕掛ける。これでレイディアントボウを撃ち落せれば御の字だが、どうもそうは行かないらしく、それは意志を持つかの様に最低限の動きで致命傷を避けている。もしかすると自動発射するビットなどではなく、アーンヴァルが操る遠隔操作武器なのかもしれない。 その彼女 アーンヴァルは遠距離攻撃が二人に増えた事で迂闊に攻められなくなり、木陰に身を隠した。 さすがに単純な二対一の構図で両方とも飛び道具持ちなら迂闊に攻める事ができる訳が無い。彼女は、さすがにそれはわかっているらしい。 しかし、この状況ではよくない。紫貴がアーンヴァルを捕獲しなくては話にならない。 『紫貴、お前がメインで牽制をするんだ。ばら撒けるアサルトカービンの方がこういう時はいい』 「ええ!」 紫貴はアサルトカービンを木陰にばら撒く。その瞬間、アーンヴァルは遠隔操作していたレイディアントボウで反撃を仕掛けてきた。 しかし、大きなそれを扱う事は自分の姿を晒すに等しく、それを見た石火も攻撃に加わり、アーンヴァルにダメージを与える。 ピンポイントにアーマーによって覆われていない箇所を狙い撃つ拳銃、ばら撒く機銃が重なり、アーンヴァルは否応も無く、ダメージを受ける事を強いられる。 「くそっ……。むかつく奴らだな……」 「そりゃ、あたし達も同じさ。お互い汚い事しているしね。だからといって……サシ勝負はする気は無いけど!」 イラつくアーンヴァルの角を叫びと共に石火は折る。角は折れて地面に落ちるかと思いきや、そこに辿り着く前に消えて例によって新たな角が生えてくる。 「この女ぁ!!」 石火の挑発を受けた彼女は叫びながらバルムンクを構え、レイディアントボウに援護射撃をさせながら無謀な突撃を始めた。 石火はふざけた笑みを浮かべながら拳銃でアーンヴァルを狙わずにレイディアントボウを狙い撃つ。 精密射撃で狙ったそれは援護射撃をする空飛ぶ弓を撃ち落し、援護射撃を無効化する。 だが、それでもアーンヴァルは突撃をかける。恨みをまとって闇雲に突撃していき、ついに剣の間合いに入った。 「くらえぇっ!!」 彼女は跳躍し、上段からの急降下攻撃を仕掛ける。これが決まれば石火は一刀両断になってしまう。 「後はよろしく」 石火の言葉と共にアーンヴァルの動きは止まった。彼女は今起こっている事が理解できず、自分の姿を見た。 そこには石火の挑発によって周りが見えなくなり、その周りにいた紫貴のサブアームによって掴まれ、身動きが出来なくなっている自分がいた。何とか動こうとはするが、イリーガルのパワーをもってしても、市販品よりは出力の高い紫貴のサブアームを振りほどく事はできない。 「それじゃ、天から落ちてきてくださいな、っと!」 石火は動けないアーンヴァルの首についているチョーカー イリーガルマインドの発光部分にじっくり狙いをつけ、撃ち抜く。 放たれた銃弾はまっすぐ狙いへと導かれ、アーンヴァルの首を壊す事なく、発光部分のパーツを破壊した。 その瞬間、イリーガルマインドは砕け散り、ユニホーンもフッと幻の様に消え去った。 「これで……」 紫貴はサブアームで握りつぶす事でレイディアントアーマーをボロボロにした上でアーンヴァルを上へ放り投げ、石火もバルムンクを拳銃で弾き飛ばし、さらに本体にも射撃を加える事でダメージを加速させる。そして丸腰となった彼女が落ちてきたと同時に……。 「決着!!」 とどめのブレードで一閃し、アーンヴァルの身体に深い傷を負わせた。 「あああぁぁっ!!」 頼みの綱のイリーガルマインドを破壊され、再生能力を失ったアーンヴァルは悲鳴を上げながら地面へと転がり、倒れた。 「よし。一丁上がりだねっ」 「ええ。……あれ?」 紫貴は何かに気づいたらしく、アーンヴァルを見る。俺もそれに注目してみると彼女の身体は全身から煙があがり、体中からスパークが起きるとまるで自分の限界を超えて動いたせいでその反動が来たかの様な酷い有様になっている。 「ゲホッ! グホッ!! 痛い……! 頭が……! 助けて……!!」 力の源を破壊されたアーンヴァルは見た目どおりの重傷ならしく、苦しみ始めた。 しかもその苦しみ方は尋常じゃない。外も中もボロボロなのだから無理もないが、どうにもそれだけではなさそうだ。 「こいつは……」 おかしい。普通、神姫を撃破したとしても外的な破損はあったとしても内部からこんなに酷くはならないはずだ。 恐らくはあのイリーガルマインドが原因なんだろうが、いったい何だ? 「……紫貴。すまないが、そのアーンヴァルを石火に交渉して、彼女のオーナーの所に連れて行け。俺はアーンヴァルのオーナーを捕まえてくる」 『わかったわ』 「頼む。蒼貴、行くぞ」 「はい」 何にしてもろくな事にならないのは確かだが、少々調べてみないとならないと判断した俺はさっきから表示として見ていたアーンヴァルのデータから得られたオーナーの情報を元に蒼貴と共に探しに出かけた。まずはそのオーナーから情報を引きずり出さない事には話にならない。 それに何としてでもそのオーナーを捕まえなければとんでもない事になる。そう、思えた。 戻る -進む
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/2237.html
セバスチャン=ボールドウィン。 2m程の背丈でウェーブのかかった髪型をしており、ダークスーツを着た強面の大男だ。 しかしそんな厳つい外見とは裏腹に意外とフェミニスト。滅多な事では物怖じしない性格で、ときどきウッカリな部分も持ち合わせているというお茶目?な部分もある。 しかも必要悪の教会でも有名な親バカであるのだ。 「…………彼が、ですか。」 殺害命令を下された魔術師の名前を聞いて、どこか渋ったような顔つきになる。 セバスチャンの娘はハーティと同じくらいの年齢で、そのせいかどうかは分からないがハーティの服装よく注意しておりもっと肌を隠すよう言い聞かせているのだ。 ハーティからすればいい迷惑だったのだが、どこか腑に落ちない自分がいるのも事実だった。 「そうよ。けど殺すのはあくまで“今回の事件”と関わりがありける場合よ。私とて杞憂であることを祈りけるのよ。」 そう、ローラは白磁製のティーカップの中の紅茶を飲み干す。 古びた木製のテーブルに置かれたティーカップは、さながら裁判官が打ち鳴らす小槌の様な厳粛な音を響かせた。 「さぁ、任務の時間なるのよ。」 ローラは女帝の如き笑みを浮かべながら、四人に命じた。 “あの日垣間見た光景”を思い浮かべながら、権謀術数を張り巡らせながら。 女帝は駒を戦場に送り出す。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「神様。」 荘厳な教会の礼拝堂で、少女は祈る。 栗色の髪の毛に緑色の瞳。 制服は所々煤けており、袖が解れており、ボロボロだった。 少女が祈る理由は恐怖。恐怖心はその根源を脳裏に甦らせる。 木を練り込んで作った様な槍を持った、目元を隠し、悲壮感を漂わせている森の亡霊を連想させる男。 赤い鋼鉄の馬に乗って、せせら笑いながら自分を見る、人の命を何とも思ってない残忍な雪の精霊の如き少女。 5つの穂先を持つ黄金の槍を持った、無表情なのに、まるで怒り狂う様にどす黒いフレアを噴き上げる太陽の如き男。 「神、様……神様ぁ………。」 少女は祈る。 なぜ、自分がこんな目に合わなければならないのかを問いながら。 手の中の十字架を強く握りしめながら。 「エミリア。」 捧げている祈りを思わずやめ、エミリアと呼ばれた少女は振り返る。 「司教様……。」 司教、と呼ばれた人間は身長180cm弱の壮年の男性で、口には微笑を浮かべている。 「大丈夫だよ。此処は神聖なる父の家。あの悪魔達はここには入ってこれない。」 「あの、パパは?パパは私の唯一の家族なんです。ケータイもアイツらに壊されて、それで。」 「あぁ、心配には及ばない。私が連絡をつけておいた。直、君を迎えに来るそうだ。」 そう言われたエミリアは僅かながら、笑顔を取り戻す。心の中に得た微かな安堵は、暗闇を照らす強い光の様だった。 微笑みを浮かべたまま、司教はエミリアに語りかける。 司教はポケットから銀貨を取り出す。 取り出された、錆一つない銀貨は不思議そうな顔をしたエミリアの掌の中に落ちる。 「これを君に差し上げよう。」 「これは……?」 「私個人の大切なお守りだ。敬虔な十字教徒である君だからこそ渡すんだ。私は君を信用しているよ、エミリア=ボールドウィン。」 「はい…。はい、ありがとうございます司教様!!」 「さぁ、祈りなさい。その喜びを神に感謝するんだ。」 「はい、ありがとうございます!!」 そうして再びエミリアは祈り続けた。 司教はそんな彼女を満足そうに見ながら、礼拝堂から出た。 「いや、いい娘を持ったな。日頃から自慢するだけあって、本当にいい娘だよ。」 鷲鼻が特徴的な老齢の男が通信用護符を通して話していた。 「≪本当に、従えばエミリアを解放してくれるんだな。≫」 「大人しく従えば、な。期待してるよ。セバスチャン=ボールドウィン」 そうして、鷲鼻の男が一方的に通信を切った。 「いやはや、今回の計画は素晴らしいですなぁ。キース=ノーランド司教。」 エミリアに銀貨を渡した司教が、鷲鼻の男に近寄り話しかける。 相手を値踏みするような目をしており、口には微笑からは親愛の情は全く何も感じられなかった。人によっては人間の姿をした寄生虫と例えるだろう。 先程、エミリアに対して優しい態度をとっていた人物と同じ人間だとは思えないほど冷徹な人間だった。 「あぁ、全くだ。グレゴリー=ガーランド司教。それにしてもさっきは“素晴らしいプレゼント”を渡してくれたものだがな。」 「あぁ、実に素晴らしい贈り物なんだよ。あれは。」 二人の司教は策略を重ねながら、イギリス清教からの増援を迎えるために準備していた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ その日の夜。 「ここが、魔術結社『至高の獣を得る者』の本拠地ですか。」 「『最強の魔術生命体を作る』為に存在する魔術結社。―――――――つまり、私の相手にぴったしな魔術生命体がいるかもってことよね!!」 シャチの如き背鰭と尾鰭が生えた姿のオズウェルが魔術結社を眺め、戦闘態勢に入ったマチが準備体操をしながら期待を胸に募らせる。 「そういえば、オズ君って剣の霊装を使ってたんだよね?」 「え。そ、そう言えばそうでしたね。」 「どうして剣をやめて今の戦闘スタイルに変えたの?」 「そ、それは………、拳で戦う道に憧れたというか…………。」 マチに自身がかつて使っていた剣の事を言われて、オズはしどろもどろに弁解するしかなかった。 「オズ君?どうしたの?」 「……………いや、なんでも。いきましょう。」 マチがオズの事を不安そうに見上げる。下から見上げるマチの顔にオズは一瞬、顔を赤くするが、直ぐにマチに返事をした。 「(僕は本当に、難易度の高い人に一目ぼれしてしまったなぁ。)」 以前、バルバラに「アンタが惚れた相手は相当難易度高いわよ」と言われたのを思い出した。 しかし、それも今だけは不要なものだ。 マチに抱く恋心。自身の悩み。 「(結局、紛い物の戦士の自分をどうにかできるのは自分自身だけなんだ。)」 その言葉を最後に戦闘に不必要な感情全てを心の奥底にしまい、突入した。 「なに、これ?」 「これは……?」 結論から言えば無人だった。 魔術結社『至高の獣を得る者』の本拠地は廃墟を基に改造されており、彼らの目的である『最強の魔術生命体を作る』を果たすためにそれなりの準備が整えられた場所であった。 何らかの魔術的処置が施された培養器の様なもの。魔術生命体を捕える為の檻。水棲の妖精を再現した時に必要になるであろう水槽。 そんな設備の整った施設には今も魔術生命体作りに励んでいる魔術師がいてもおかしくない。奇襲であるならば尚更だ。 しかしそんな魔術師は独りもいなかった。誰一人いなかった。 マチやオズが驚いているのは其処では無く、大量にぶちまけられた血痕。床に転がり、倒れ臥した死体。人間のみならず、魔術生命体の物もチラホラある。 あまりに凄惨な光景や漂う血生臭さにマチやオズは唖然としていた。 「雨……?」 オズは身体が濡れるような感覚がした。 床に溜まった血の水溜りには波紋が出来ていた。一気にバケツの中の水を被せられる様な感覚では無く、霧の中で徐々に濡れていくような感覚だった。 「なんだろ、これ。血生臭さとは違う別の臭い……。」 「この臭いは、酒ですね。」 「ほえ?オズ君お酒とか飲んでたっけ?」 「い、いや!!たまに姉さんの酒盛りに付き合わされてるだけで決した自分から進んで飲んでるわけじゃ……。」 突如。 オズは言葉を詰まらせた。 次に跪いた。その時に跳ねた水溜りの音で、マチは振り返ってオズの方を見る。 「オズ君、後ろ!!」 マティルダ=エアルドレッドは見た。跪いたオズの背後辺り。その上空から一人の人間が降ってくるのを。 その人間が剣のようなものでオズを斬り殺そうとしているのを。 「ラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 オズは振り返ることもせずに、身体を動かし斬撃を躱した。 斬撃を躱され、手応えを得られなかった男はイラついた表情で二人を見据えた。 「チッ、外したか。」 金髪にそめた、ウルフカットの青年。顔立ちから東洋人、恐らく日本人だろう。 身長は高く、細いがしっかりとした体つきだ。 腰には鞘とペットボトルを備えており、右手には刃渡り80cmの日本刀が握られていた。 「俺は鬼島甲兵(きしま こうへい)。イルミナティって組織で幹部をやっている。」 「身体が、痺れて……。お前何をしたんだ………!?」 「コイツだよ。」 そう言って、鬼島はペットボトルを二人の足元めがけて投げる。ペットボトルは空で液体は一滴も入ってなかったがそこから漂う臭いはアルコール特有の物だった。 「『神便鬼毒酒』っていう霊装だ。酒呑童子っていう化け物を殺すために用いた道具の一つだ。 簡単に言っちまえば『人外』を弱める力を持つ。つまり手前見てえな化け物相手にはぴったりの霊装って訳だ …………なあ、オズウェル=ホーストン!! 」 鬼島は標的をオズ一人に狙っている。傍にいるマチには目もくれず、初対面のはずのオズの名前を叫ぶ。 「なんで、僕の名前を?」 「そんなのどうでもいい。俺は人外を切り刻んでぶっ殺せば……それでいいんだからなぁああああああああああああああああああああああ!!」 そう言って鬼島は刀を振り被り、オズを斬り殺そうとする。オズは痺れる身体を鞭打ち必死に躱す。 「オズ君!!」 マチが加勢しようと、義手型霊装『螺旋の腕』を起動させ、風を纏わせる。 「っと、オメェには用が無いから。ホレ、お前たち。」 鬼島が面倒臭そうにマチを一瞥しながら手下を呼ぶ。この魔術結社を殲滅するのにかき集められた、イルミナティの構成員だ。11人はいる。 構成員は炎を纏う剣や、水を操る槍、雷撃を放つ弩。地を隆起させる斧。様々な霊装を持ってマチに襲い掛かる。 「マチさん!!」 「お前の相手は、この俺だ!!」 今度は突き刺してくる。一流の剣士であるその動きでオズを傷つけていく。 ギリギリで躱せているのはオズが人外の身体能力を得ているからだった。 防御重視の形態である『フォルム《オルク》』でさえ一流の剣士たる鬼島の必滅の一撃を逃れている。 「(でも、おかしい!!さっきから僕の表皮に触れている筈なのに!!)」 オズウェルが今とっている形態はフォルム《オルク》。起源はシャルルマーニュ伝説に登場する海の怪物オルクだ。 刃物を通さない鱗を持っていたことからその体は鉄より硬く、刃物限定で武器破壊の効果も持つ。 鬼島が持ってるのは日本刀。れっきとした刀剣類だ。 にも拘らず破壊どころか、刃毀れすら起こす気配も無い。 「不思議そうな顔してるなぁ?お得意の刀剣破壊ができないってか?」 その口ぶりでオズは確信する。鬼島はオズの顔だけではなく魔術の内容すら把握していることだろう。 「なんで、僕の魔術を知ってる、いや何故僕の武器破壊の効果が発揮されない?」 息切れをおこし、ズタボロになりながらオズは鬼島と距離をとる。そのうえさっきから痺れが取れるどころかじわじわと体を蝕んでいた。 「あぁ、それはこの霊装のおかげだ。霊装『童子切安綱』のな。」 『童子切安綱』。 大江山の鬼・酒呑童子を討ち果たした、天下五剣と呼ばれる名刀だ。 その性質は「鬼殺し」。転じて「人外殺し」。 人の形に似ながら人ではない存在に対して、「人ならざる要素を壊す」という致命的な効果がある。例えば日本の代表的な怪物の鬼は「頑丈な外皮」「圧倒的な膂力」をもっているが、この霊装で切られるとそれらが失われるか、大きく弱まってしまう。 「コイツはレプリカなんかじゃねえ。正真正銘のオリジナルだ!! そのうえ『神便鬼毒酒』には『ヒト』の能力を強化する性質がある!!テメェ見てえな格上の人外をぶっ殺すのにこれ以上最適な霊装はねえ!!」 つまりオズの『切り札』である形態以上の防御力であっても、武器破壊能力であっても、この刀にオズが打ち克つ方法は無い。 他の形態であるならば遠距離攻撃も出来ただろうが、このフォルム≪オルク≫には遠距離攻撃の機能は無い。 この言葉にしなくても人外への憎しみをあらわにしている男がそうそう形態を変えるチャンスを与えてくれるはずも無かった。 つまり相性最悪な相手に、何の対策なしに挑んでしまったのだった。 「さぁ、分かったらとっとと斬らせろこの化け物ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 そして一気に距離を詰め。 「がはっ……。」 右肩から一気に袈裟切りにされてしまった。 飛び散る鮮血はまるで噴水の様で。 それが自分の血だという事に現実味は無くて。 そしてそのまま血だまりの上に倒れてしまった。 「は。まぁこんなもんだ。」 「鬼島さん、こっちも終わりました。」 構成員たちが鬼島の元へ近寄ってきた。ズタボロになったマチの髪を掴みながら。 マチは命に別状はなさそうだったが完全に気絶していた。 「おう、そうか。そいつはどうなってもいい。持ち帰ってなんかの実験台にでも……。」 鬼島が言葉を止める。足に違和感を感じる。弱弱しいながらもしっかりと何者かが足を掴んで話そうとしなかった。 「その人を、放せ。手を、出すなぁ……。」 鬼島はつまらなさそうな顔を一瞬だけする。 「うっぜぇなぁ!!」 そして足で払い、蹴りつける。 フォルム≪オルク≫は完全に解除されて、上半身は完全に肌を晒していた。 解除されたことで『神便鬼毒酒』と『童子切安綱』の対人外の効果は消え失せていたが、致命傷を負った身体であるのは間違いなかった。 袈裟斬りにされた体にはなんの力も残されていなかった。 「やめろ。マチさんを、傷、つけるな………!!」 それでも、再び鬼島にしがみついてきた。 目の前の大切な人をこれ以上傷つけたくなかったから。 自分を見下してくる鬼島に精一杯の抵抗を眼差しで語る。 「お前…………。そうかそうかぁ!ははっおいおい何の冗談だっていうんだよ!人外の化け物が人間に恋だと?バッカじゃねえの、片腹痛ぇなぁ!!」 唐突に何かを理解した鬼島は笑いながらオズを振りほどき、蹴り飛ばす。 強化された鬼島の蹴りの一撃は10m弱の距離を作った。 蹴り飛ばされたオズはそのまま指先一つ動かさず倒れ伏したままだった。 「おい、その小娘ちょっと寄越せ。」 鬼島は部下から気絶しているマチを取り上げると、自身の足元に横たわらせる。 「おう人外。お前どうやってコイツを殺して欲しい? 心臓を一思いに貫いて殺させるか。全身の皮膚剥いでショック死させるか。それとも首を跳ね飛ばすか。 所詮お前は負け犬だ。俺がどんな方法でコイツを殺しても文句は言えねぇんだよ!!これは所謂『生存競争』なんだよ。弱けりゃ食われておしまいなのさ。何されても文句言えねぇんだよ。 さて、最後のチャンスだ。あと一回立ち向かってこい。それで敵わなかったらコイツを殺す。お前の目の前でな!!」 その言葉を聞いてオズはピクリと指先を動かす。 しかしそれだけ。 立ち上がることも。面を上げる事も、言葉を発することさえしなかった。 「おいおい白けさせんなよ人外。10数えて起き上がらなかったら殺す。頭から下の生皮全部剥いで殺す。背中掻っ捌いて骨と臓物全部取り出して殺す。でもって顔をグチャグチャにして切り刻んで殺す。 カウントスタァートォ。じゅ――――――う、きゅ―――――――――う、は―――――――――ち。」 鬼島は冷徹にカウントを取る。 なんでもよかったのだ。 目の前にいる人外を肉体的にも精神的にもズタボロにできればそれで良かった。 鬼島はそれこそ、自分が最も嫌う『鬼』の表情でオズウェルを追い詰めようとしていた。 弱弱しく、立ち上がる。 オズはズタボロになりながらも立ち上がった。 「ごぉ――――――――――、お?なんだよようやく立ち上がったか。さぁ立ち向かって来い人外!!これが最後のチャンスだぁ!!」 鬼島は狂い叫びながら、オズに刃を向ける。 オズは一言も発しない。何の動作も示さない。視線は床を見つめたままで鬼島を見つめてこない。 「『Bestia525(獣となりてまで守る者)』。」 ただ一言。それを発した。 魔法名、殺し名を発した。 そして、灰色の鱗の嵐が巻き起こった。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1964.html
79 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第三話】 ◆AJg91T1vXs :2010/11/15(月) 00 06 58 ID L6F9TM5r ジャンが合同墓所に着いた時、既に太陽は南の方角に昇りかけていた。 街の正門をくぐり、レンガで舗装もされていない道を歩くこと小一時間。 赤錆びの目立つ鉄製の策に囲まれた、寂しげな場所にそこはあった。 街の教会に墓を持たない人間は、この合同墓所に埋葬されることになる。 そのほとんどが、どこの誰とも知らない曰くつきの者ばかりだ。 旅の途中で行き倒れ、身元も分からないまま埋葬せざるを得なくなった行商人。 怪しげな呪いを使うとされ、神父に看取られることもなく亡くなった老婆。 不運にも、旅の途中で山賊に襲われ、そのまま命を落としてしまったジプシーの一団。 この合同墓所は、そういった街の墓所に入れない人間達の遺体を、一重にまとめて埋葬しているような場所なのだ。 墓所の入口近くにある小屋の鐘を鳴らすと、管理人と思しき老人が中から姿を見せた。 その目はどんよりと光を失って濁っており、背中は醜く曲がっている。 手にしたスコップを杖代わりにして、老人は訝しげな顔をしながらジャンを見た。 「なんだね、あんたは。 こんな墓場に、真っ昼間から何の用だい?」 「ある男の埋葬をお願いしたくてやってきました。 ここに、その遺骨があります」 ジャンは鞄から父の遺骨が入った袋を取り出したが、老人はちょっと見ただけで、すぐに興味なさそうに目を逸らした。 「あんた、変わった人だな。 骨しかないってことは、体を焼いちまったんだろう? どうして焼いた場所に埋めず、わざわざこんなところまで持ってきた?」 「この人は、この土地で生まれた人です。 旅先で亡くなったんですが、教会に墓が作れるような人じゃありません。 だから、仕方なく遺体を焼いて、ここまで持って来たんです」 「それはまあ、ご苦労なこった。 あんたがどんな人間かは知らんが、まあ、ここは聞かんでおこう。 その方が、あんたも何かと都合がええじゃろうて……」 老人の淀んだ目に、一瞬だけ光が戻ったような気がした。 低く、鼻にかかるような声で笑うと、隙間だらけの黄色く汚れた歯が覗けて見えた。 「それじゃあ、埋葬をお願いします。 何か、必要な書類とかはありますか?」 「そんなもんは要らんよ。 まあ、あえて言うならば、お布施の代わりでも欲しいかの。 わしは別に神父でもなんでもないが……街の連中から渡されておる補助金だけじゃ、とてもではないが暮らして行けんのでな」 「だったら、これを使ってください。 少ないですけど……何かの足しにはなるはずです」 80 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第三話】 ◆AJg91T1vXs :2010/11/15(月) 00 07 39 ID kHJ4GEnX そう言って、ジャンは何某かの金と共に、父の遺骨を手渡した。 老人からは埋葬するところまでつき合えと言われたが、さすがにそこまでするつもりはなかった。 形だけとはいえ、父の骨は故郷の土に帰したことになる。 それ以上は、自分が何かを義理立てする筋合いはない。 墓の場所にも興味はない。 流浪の医師である自分が墓参りをすることなど、未来永劫ありはしないのだから。 墓守の老人を一人残し、ジャンは踵を返して墓地を後にした。 が、すぐに振り返ると、金を数えながら墓地の奥へと向かう老人に声をかける。 「あっ……ちょっと、言い忘れましたけど!!」 「なんじゃ、若いの。 まだ、何か用かね?」 「そのお金、お酒を買うのに使ったら駄目ですよ! これ以上飲んだら、次にお墓の下に入るのは、おじいさんの番になるかもしれませんからね!!」 遠くからでも聞こえるように叫んだつもりだったが、老人はジャンの言葉に返事をしなかった。 そのまま杖代わりのスコップをついて、墓地の中へ入って行く。 (あれは、たぶん駄目だろうな……。 あそこまで末期だと、口で言っただけじゃ、どうにもならないか……) 初めて老人の顔を見た時、ジャンは彼がアルコール中毒患者であることを見抜いていた。 そのため、最後に釘を刺しておこうと思ったのだが、どうやら無駄骨に終わったようだ。 アル中の管理人に守られた合同墓所で、誰に看取られるまでもなく静かに朽ちて行く。 自分の父親のことではあったが、ジャンは同情などしなかった。 医師としての務めを放棄してまで己の探究心を満たそうとした男の末路としては、これはこれで相応しいのではないかと思っていたからだ。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 81 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第三話】 ◆AJg91T1vXs :2010/11/15(月) 00 08 48 ID L6F9TM5r ジャンが宿場に戻って来たのは、正午を過ぎて二時間程経った頃のことだった。 一階の酒場はまだ開いてはいなかったが、特に気に留める必要もなかった。 昼食は、既に外で済ませてきている。 リディに頼めば何か出してくれそうなものだが、さすがにそこまで甘えられない。 二階へ続く階段を上り、ジャンは夕方までの時間をどう過ごそうか考えた。 いつもであれば、旅先で困っている病人がいないかどうか探し、その家に往診にでも行く時間である。 しかし、彼にとって生まれ故郷でもあるこの街は、同時に彼にとって酷く冷たい街でもあった。 自分の素姓が街の人間に知られたら、問答無用で叩き出されるだろう。 父の骨も手放したことだし、明日にでもこの街を発つことにしよう。 そんなことを考えながら、ジャンは二階への階段を上って行った。 受付の前まで来ると、そこにはジャンを待つリディの姿があった。 「お帰りなさい、ジャン。 あなたにお客さんが来てるわよ」 「お客さん? 特に、誰かと約束したつもりはないけど……。 どんな人なんだい?」 「なんだか、ちょっと冷たい感じのする人。 どこかの御屋敷の執事みたいだけど……」 「執事? そんな人が、僕になんの用だろう……」 訝しげな表情を浮かべながら、ジャンはリディに案内される形で奥の部屋に入った。 それにしても、この街に自分を尋ねて来る人間がいるとは驚きだ。 まさか、父のことを知っている人間が、自分を追い出しに来たのではないだろうが……とにかく、話を聞いてみないことには始まらない。 リディに案内された部屋に入ると、なるほど、そこには黒い正装に身を包んだ一人の男がいた。 感情のない、刺すような視線がジャンに向けられる。 敵意があるわけではないのだろうが、どうにも冷たい印象を抱いてしまう。 「ジャン・ジャック・ジェラール様ですね」 ジャンが自分の名前を言うよりも先に、男が言った。 「お初にお目にかかります。 クロード・ラ・シールと申します」 「は、はぁ……」 腕を胸の前に添え、男はジャンに深々と頭を下げた。 こういった空気には慣れていないのか、ジャンもリディも完全に呑まれてしまっている。 「私は、テオドール・フラド・ツェペリン伯爵にお仕えする者です。 本日は訳あって、ジャン様をお迎えにあがりました」 82 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第三話】 ◆AJg91T1vXs :2010/11/15(月) 00 09 54 ID L6F9TM5r 「僕を迎えに? でも……いったい、なんで……」 テオドール・フラド・ツェペリン。 その名前に、ジャンは聞き覚えがなかった。 目の前の男が言うには伯爵ということだが、そもそもこの街に、そこまで名のある貴族が住んでいるという話は聞いたことがない。 少なくとも、ジャンがこの街を出た十年程前においては、であるが。 未だ要領を得ないジャンであったが、執事の男、クロードは、先の調子をまったく変えずに話を続けた。 「私の御主人様であるテオドール伯は、病を患っておられます。 私はジャン様に、御主人様を治していただくべく、こうしてお迎えにあがらせていただいた次第であります」 「それはまた、随分なことだね。 でも、僕なんかでいいのかい? この街にだって、もっと腕のいい医者がいるだろうに……」 「私も初めはそう考えて、街の医者を頼りました。 しかし、街の医者の出す薬では、御主人様の病には効果がなかったのです。 その点、ジャン様は東洋医学にもお詳しいとのこと。 最後の頼みの綱として、我々は長らくジャン様を探していたのです」 「ま、まあ……確かに僕は、そっちの方の話も少しは分かるけど……」 自分の内面まで丸裸にされているような気がして、ジャンは思わず身構えて言った。 確かに、自分は東洋の医学に関するある程度の知識を持っている。 なんのことはない、父の残した医学書の中に、主に薬草に関してまとめられた東洋医学の本があっただけだ。 如何わしい魔術書のような本の中でも、それだけは唯一まともな本だったと言ってもいい。 実際、その本に載っていた薬草の類は、確かに効果があった。 詳しい理由はジャンにも分からないが、効能だけは確かだったのだ。 薬によっては行商人から買わねば材料が揃わないものもあったが、必要に応じてバザーなどで買い揃えるようにしていた。 (それにしても……) 目の前に現れた謎の男の言葉に、ジャンは無言のまま考える。 クロード・ラ・シールと名乗った執事の男。 彼は、いったいどこまでこちらのことを知っているのだろうか。 自分はそこまで有名な医者でもない。 東洋の医学に詳しいという話も、一部の患者を除いては知る者などいない。 ならば、クロードはどこからその話を聞きつけたのか。 そして、彼を遣わせたテオドール・フラド・ツェペリン伯爵とは、いったい何者なのだろうか。 今はまだ、わからないことが多すぎる。 不安でないと言えば嘘になったが、謎を解くためにはクロードの申し出を断るわけにはいかない。 それに、自分を求める患者を放り出して逃げ出すなど、ジャンにはできそうもなかった。 83 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第三話】 ◆AJg91T1vXs :2010/11/15(月) 00 11 14 ID L6F9TM5r 「わかりました。 僕で力になるかどうか、少し不安ですけど……とりあえず、できる限りのことはやってみます」 「それはありがたい。 では、早速私と共に来ていただけますか?」 「はい。 ところで……テオドール伯の御屋敷は、ここから遠いのですか?」 「ええ、少し……。 外に馬車を待たせてあります。 詳しくは、そこでお話しましょう」 相変わらず、クロードは無機的な声で答えた。 申し出を受け入れてもらえたというのに、喜ぶ素振りも見せなければ表情も変えない。 ただ、宿の近くに馬車を待たせていたという手際の良さだけは、ジャンも感心せずにはいられなかったが。 「と、いうわけで、悪いけど仕事が入っちゃったよ。 今晩は何時に帰れるかわからないから、夕食の用意は要らないよ」 「ええっ、そんなぁ……。 折角ジャンに食べてもらおうと思って、お昼から仕込みをしてたのに……」 「ごめんよ、リディ。 まあ、帰ってきたら、また賄いのシチューでも食べさせてもらえればいいさ。 それじゃあ、ちょっと行ってくる」 足元に置いた鞄を手に、ジャンはクロードと共に部屋を出た。 その後ろ姿を名残惜しそうに見つめるリディだったが、そんな彼女の瞳に、ジャンが気づくはずもなかった。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ テオドール・フラド・ツェペリン伯爵の屋敷は、街から少し離れた丘の上にあった。 丘の上からは冷たい吹き下ろしが流れ、それが街に流れ込んで冬の訪れを告げる。 ジャンが物心ついた時から、これだけは変わりがない。 街外れの丘に貴族の屋敷があることは、ジャンも幼い頃から知っていた。 だが、ジャンが以前に聞いた話では、そこは別荘のような場所であるとのことだった。 なんでも、隣国にいる名のある貴族の持ち物で、夏の間だけ避暑地として訪れることがあるという話だった。 クロードの話によると、テオドール伯は三年程前に、隠居するような形でこの地を訪れたのだという。 隣国にあった土地や屋敷、果ては所有していた農地や鉱山までも売り払い、本来は別荘でしかない丘の上の屋敷に移り住んだのだというのだ。 テオドール伯が、何を考えてこの地にやってきたのか。 それはジャンにもわからなかった。 ただ、自分が街を離れていた間にやってきたため、伯爵の名前を聞いたことがない理由だけは納得した。 84 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第三話】 ◆AJg91T1vXs :2010/11/15(月) 00 12 10 ID L6F9TM5r 馬車の揺れが収まり、クロードが扉を開けて外に出る。 彼に促されるようにしてジャンも外へ出ると、彼の前には立派な屋敷が姿を現していた。 「それにしても、凄い御屋敷ですね。 丘の上に貴族の屋敷があることは知っていましたが……こうして間近で見るのは初めてです……」 屋敷の屋根を見上げるようにしてジャンが言った。 その隣にいるクロードは、やはり表情一つ変える様子はない。 主君の家を誉められても、喜ぶこともしなければ謙遜もしない。 「テオドール伯がお待ちです。 どうぞ、こちらへ……」 余計なことは一切語らずに、クロードはジャンを屋敷の中に招いた。 彼に先導される形で、ジャンも屋敷の入口へと足を踏み出す。 その時、ふと、こちらを見つめているような視線を感じ、ジャンは思わず顔を上げた。 彼の見つめる先にあるのは、屋敷の二階にはまっている大きな窓ガラス。 場所からして、恐らく窓の向こう側は廊下でなく部屋だろう 二階から見下ろすような視線を感じたジャンだったが、クロードに屋敷へ入るよう促され、それ以上は確かめることはできなかった。 あの視線は気のせいなどではない。 では、いったい誰が、自分のことを見ていたのだろうか。 取るに足らないことではあったが、ジャンには妙に気になって仕方がなかった。 「どうされました、ジャン様?」 ジャンの微妙な変化を感じ取ったのだろう。 クロードが、やはり表情は変えずとも、ジャンに尋ねた。 「い、いや……。 ちょっと、緊張していてね。 テオドール伯に失礼があったらいけないだろうから……」 適当な理由をつけて、ジャンはその場をごまかした。 それに、今は余計なことを考えている場合ではない。 入口の扉をくぐると、そこは大きな階段のあるエントランスルームだった。 階段には赤い絨毯が敷かれ、いかにも貴族の屋敷といった感じがする。 異国の珍しい彫像品でも置いているかと思われたが、美術品の類は見当たらなかった。 階段を上り、正面にある一番大きな扉を開ける。 その先は廊下になっており、更に奥の方に別の扉が見えた。 「こちらです、ジャン様」 左右の壁にある扉には目もくれず、クロードは一番奥の扉へとジャンを招いた。 クロードに案内された部屋に入ると、そこには白い口髭をした、いかにも厳格そうな老人が座っていた。 85 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第三話】 ◆AJg91T1vXs :2010/11/15(月) 00 13 16 ID L6F9TM5r 「御主人様。 ジャン・ジャック・ジェラール殿をお連れ致しました」 「うむ、御苦労。 後は、私から話をする。 お前はもう、下がって良いぞ」 「はっ……」 椅子に座ったままのテオドール伯に向かい、クロードは一礼をしてその場を去った。 後に残されたジャンは、しばし呆然とした様子でその場に立ちつくす。 「なるほど。 君が、ジャン・ジャック・ジェラール君かね?」 「えっ!? あっ……は、はい……」 「なんだ、緊張しておるのか? 別に、とって食ったりはせんよ」 そう、口では言っているものの、伯爵の顔は険しいままだった。 長年、貴族としての誇りを持ち続けて生活してきた故に、仕方のないことなのかもしれないが。 「あの……。 ところで、伯爵はご病気と伺いましたが……。 いったい、どのようなもので?」 このまま突っ立っていても仕方がない。 場の空気を変えるためにも、ジャンは伯爵へ問診を始めることにした。 「ふむ、どのような病気、とな……」 重い腰を上げるようにして、伯爵が椅子から立ち上がる。 腰はそこまで曲がっていないものの、杖をつかねば歩くのも辛そうだ。 口で何かを言う代わりに、伯爵はジャンの目の前に左手を突き出した。 節くれだった関節と、皺の目立つ皮膚。 だが、それ以上に、右手と比べて明らかに不自然な方向へ向いている指先が気になった。 「これは……リウマチですね」 「その通りだよ。 ここ数年で、病状が酷く悪化してな。 街の医者に見せて薬も出させたが、大した効き目はなくてな」 「なるほど。 それで、最後の頼みの綱として、僕を呼んだというわけですか」 86 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第三話】 ◆AJg91T1vXs :2010/11/15(月) 00 14 38 ID L6F9TM5r 「うむ。 噂によれば、お主は東洋の医学にも詳しいと聞く。 それを使って、なんとかならんかと思ったのだが……」 「なんとか……ですか。 でも、リウマチは完全に治す方法などありませんよ。 僕の持っている東洋医学の本にも、痛みを和らげたり症状を軽くしたりするための薬しか載っていませんし……」 「それでも構わんよ。 どの道、老い先短い人生だ。 ただ、痛みで夜も眠れないというのは、さすがに勘弁願いたいのでな」 険しい顔は変わらなかったが、伯爵の話す口調は幾分か穏やかなものになっていた。 それにしても、テオドール伯は、いったいどこでジャンの噂を聞きつけたのだろうか。 先ほどから気になっていたのはそこである。 クロードの話によれば、方々の街に遣いを出して、ジャンの足取りをつかませるようなことまでしていたらしい。 それだけ自分にかけている期待が大きいのだろうが、ジャンとしては複雑な心境だった。 「あの……テオドール伯爵」 「なんだ? まだ、他に病気のことで聞きたいことがあるかね?」 「いえ、そうではありません。 ただ、伯爵がどうして僕のことを知ったのか……。 それが、少し気になりまして」 「そんなことか。 まあ、他愛もない話だがね……」 立っているのが辛くなったのか、伯爵は再び椅子に腰かけて話を続けた。 「君は、以前にフレデリック・セギュールという男に会ったことはないかね?」 「フレデリック……? そう言えば、そんな名前の患者がいたような、いないような……」 「実は、彼は私の古くからの友人でね。 私が病で苦しんでいることを知り、君のことを手紙で紹介してくれたのだよ。 もっとも、その時には君もフレデリックの下を去っていただろうから、手紙をもらった後に方々を探しまわらせることになってしまったがね」 「そうだったんですか……」 伯爵と話をしている内に、ジャンの頭にも昔の記憶がおぼろげながら蘇ってきた。 フレデリック・セギュール。 以前、ジャンがとある山村で診た老画家である。 若い頃は貴族のパトロンを後ろ盾に、比較的安定した生活を送っていたが、現在は隠居暮らしをしているとのことだった。 テオドール伯の言っているフレデリックとは、あの老画家のことで間違いない。 恐らく、以前にフレデリックのパトロンだったのが、ツェペリン家の人間だったのだろう。 87 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第三話】 ◆AJg91T1vXs :2010/11/15(月) 00 15 24 ID L6F9TM5r 「それにしても……」 不自然な形に歪んだ伯爵の指を診察しながら、ジャンが何気なく尋ねる。 「伯爵は、なぜこのような辺鄙な場所に引っ越しを? やはり、療養のためですか?」 「なぁに、そんな大した理由などではない。 私の父が若かったころは、ツェペリン家も名のある貴族だったがね。 どうも、私が生まれる前の戦争で、軍資金を使いこみ過ぎたらしい。 それでも、平和になってからは画家や音楽家のパトロンなどもやっていたが……すぐに先祖の財も底を尽きた。 以来、私が後を継ぐ頃には、ツェペリン家もすっかり没落貴族でな。 とうとう祖国の土地を売り払い、丘の別荘に隠居することになったのだよ」 「そうだったんですか……。 すいません。 なんだか、失礼なことを聞いてしまって……」 「いや、構わんよ。 事実は事実。 物笑いの種にされようと、こればかりはどうにも変わらん」 伯爵の口調は、いつしか哀愁を含んだようなものに変わっていた。 富を失い、祖国の土地を追われ、最後は異国の別荘にて余生を送る。 そんな自分とテオドール伯の姿に、ジャンはどこか親近感のようなものを抱いていた。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 88 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第三話】 ◆AJg91T1vXs :2010/11/15(月) 00 18 05 ID L6F9TM5r 結局、その日は伯爵に手持ちの薬を処方して、宿場に帰ることになった。 ジャンの渡した薬に伯爵は満足していたようだが、果たしてどこまで効果があるかはわからない。 その上、東洋医学における薬には、即効性が期待できるものが少ない。 様々な薬を組み合わせながら、毎日飲み続けることが大事なのだ。 そうやって、身体の中から徐々に体質を変えてゆき、病に対する回復力や抵抗力を高めるのが、東洋ならではの治療法なのである。 この様子では、当分の間、自分は伯爵の下を訪れて治療をせねばならないだろう。 正直、早く街を離れたかったのだが、患者から頼まれた主治医とあってはそうもいかない。 そんなことを考えながら屋敷を出ると、ジャンは再び二階から自分を見降ろすような視線を感じた。 気になって後ろを振り向くと、そこには二階からこちらを見つめる二つの赤い瞳があった。 「君は……!?」 聞こえるはずなどないのに、ジャンは思わず口にした。 その途端、瞳の主は窓辺から離れ、カーテンの向こう側に姿を消した。 窓辺からジャンを見下ろしていたのは、赤い瞳をした一人の少女だった。 幽霊のようにか細い身体に、雪のように白い肌。 髪はブロンドにしてはやけに色が薄く、白金色と言った方が正しい。 そして、なにより極めつけだったのは、やはり血のように赤いその瞳だった。 窓の向こう側に消えてしまった今では確かめる術もないが、あまりに人間離れしたその容姿だけは、忘れようにも忘れられない。 あの少女はいったい何者だったのか。 伯爵の子どもにしては若すぎるし、使用人でもなさそうだ。 ならば、伯爵の孫娘といったところだろうか。 彼女の正体が気になったジャンだったが、今の彼にはそれを確かめるための術などなかった。 クロードに促されるまま、ジャンは帰りの馬車に乗って宿場へ戻る。 伯爵の病のことや薬の材料を手に入れるための手段も心配だったが、それ以上に、屋敷で最後に見た奇妙な少女の姿が頭から離れなかった。
https://w.atwiki.jp/roseofmay/pages/97.html
そういえば前回やるのを忘れていたぜ。 今日の最強カードは・・・「おろかな埋葬」だ! 墓地に落としたいカードが複数ある場合は100%入る超汎用性の高いカードだ! それゆえ結構な数が欲しくなるから困るぞ! 魔が差してやった、後悔はしていない。以降本編をどうぞ...。 「空くんさあ、大和学園で教えてみない?」 「・・・は?」 あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! 「おれは大学在学中なのに学校で教えてみないかといわれた。」 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが おれも何を言われたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった… 心を読んでくるだとか超スピード(バイク)だとか そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ… 「ポルナレフはいいから。」 だからなんで俺の考えてることがわかる。 「えーっと・・よく意味が分からないのですが・・俺教員免許とか持ってませんよ?」 「あ、大丈夫大丈夫。大和学園はそういうの気にしないから。」 もう頭が爆発しそうなぐらい訳が分からない。 だいたいなんで俺が呼ばれるのかすら分からない。 「・・なんで俺なんですか?」 「実はね、空くんがこの前書いたBFの論文を見て校長先生が感動しちゃってね、ぜひうちの学校で教えて欲しい。って言い出したんだよ。」 「・・というか大学はどうなるんですか?退学しろと?」 「ああ、その辺りは大丈夫、学長に話を通しておいて大和学園で教えることで単位をもらえるように話をつけておいたから。」 あんまり魅力的じゃない。こういうのもなんだが大学で普通に勉強してれば俺はそこそこの成績で卒業できる。 わざわざ先生についていって人生を潰すのはバカバカしい。 「悪いですがこの話はこt・・」 「空くーん、拒否権があると思ってるのかなー?」 「いや、流石にこれは人生にかかわることだし拒否しても・・」 「デュエルで、負けたよね?」 「いや・・その・・」 「負けたよね?」 「・・はい。」 「じゃあ引き受けてくれるよね?」 「・・はい。」 終わった・・全てが終わった・・人生オワタ・・ もうどうにでもなーれ。 「そうこなくっちゃ、じゃあ早速引越だね。」 「はい・・。って、え?引越し?」 「当たり前じゃない。自宅から大学と大和学園両方にか様のは大変でしょ?だから大和学園の近くに引っ越すの。」 まあそう言われればそうだが・・突然過ぎるだろと・・ 事態が急すぎて頭の回転が追いつきそうにない・・ 「まあ、空くんの部屋にあったものはもう全て向こうへ送らせたから大丈夫。後は私たちが向こうへ行けば引越し完了。」 「・・・」 もう返事をする気力も無い・・ それにしても、俺を大学へ連れ出したのはこのためだったのか・・しかし準備がよすぎる。 前々から計画されていたことだったのか・・。気づけなかったのは不覚・・。 「じゃあ新天地へ向かってごー」 「おー・・・」 と俺は力なく答えて先生に従うのであった。 新天地か・・俺にとってはシベリアだよ・・・はぁ・・・
https://w.atwiki.jp/toho/pages/6587.html
幻想記新伝ファントムセイバー第三話 サークル だんだん組 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 あらすじ 平泉にたどり着いた次郎左衛門は源義経との会合を果たし、幻想郷へたどり着く。 西行妖復活の危機を知った次郎左衛門は、紫・義経と共に京都へ向かう。 だが、そこには宿敵魂魄那由他が待ち受けるのであった・・・。 詳細 東方ボイスドラマCD ジャケットイラスト:日本円 アートディレクション:もに(RINGOEN) オープニングテーマ曲 『Spirit of Steel Heart』 唄:南条 あきら 作曲:ハム(Foxtail-Grass Studio) 作詞:山本 ダン エンディングテーマ曲 『君がいる星空の下で』 唄:鈴湯 作曲:中雑魚酒菜(街角麻婆豆) 作詞:山本 ダン キャスト 隠岐次郎左衛門広有成田 りん 西行寺幽々子鈴湯 魂魄那由他成澤 卓/河野 弥生 魂魄妖忌我頼 源頼朝益荒男 源義経渡会 ななせ 八雲紫伊東アユム 伊吹萃香かがみがわ とうこ 鞍馬天狗鬼一方眼河野 弥生 老尼西行何某かがみがわとうこ ナレーション益荒男 作・演出・編集・製作:山本 ダン コミックマーケット83(2012/12/30)にて頒布 イベント価格:1,000円 ショップ価格:1,400円(税込:1,470円) レビュー 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/animeyoutube/pages/1231.html
千鶴もけなげだねー。龍かっこいー!!でも風早です - きむぶ 2010-09-29 18 56 09 龍かっこゆー^^ - もん 2010-10-08 15 24 56 龍めっっちゃかっこいい!! - り 2010-12-21 17 42 38 龍がめちゃくちゃかっこいー!ヤバイー!! - りま 2010-12-25 17 50 00 龍もかっこいいけど、徹もカッコいいんじゃない? - 舞っち。 2011-01-09 20 22 19 やっぱ・・・どんなストーリーに出てくる龍っていう人はみんなカッコいい★ - おふろん 2011-05-30 14 34 25
https://w.atwiki.jp/bokuchu777/pages/118.html
急にユリア様が腹痛を訴え、[l]トイレに行きたいと言い出した。[l][r] 幸い近くにあったので、[l]入り口のところまで連れて行き、[l]俺とレンさんは荷物を持って入り口付近で待機した。[l][r] ユリア様はぱたぱたと走りこんでいった。[l][r] [r] ; ●立ち絵消去 ユリア・私服(姫) 大翔「ユリア様を一人にしていいんですか? 」[l][r] ; ●立ち絵変化 レン・私服(騎士)・表情(通常)・位置(左) レン「流石にトイレの中まで付いて行くわけにもいくまい。[l]中に人の気配もないしな」[l][r] 大翔「騎士って気配りが大事なんですね……」[l][r] [r] なんとなく会話が途切れる。[l][r] 貴俊ネタも尽きていたし、[l]どうしようかと思っていると、[l]レンさんの方から話しかけてきた。[p] [cm] ; ★BGM変化~No.37 風(仮) ; ●立ち絵変化 レン・私服(騎士)・表情(笑顔)・位置(左) レン「気配りか……そうだな、[l]その点ではヒロト殿にも学ばされたよ」[l][r] 大翔「え?」[l][r] レン「長年姫様に仕えているが……[l]あんなに生き生きとした姫様の笑顔を見られたのは今日が初めてだった」[l][r] 大翔「どのくらいの間、[l]ユリア様と一緒にいるんですか? 」[l][r] ; ●立ち絵変化 レン・私服(騎士)・表情(通常)・位置(左) レン「物心ついたころに姫様の父上に拾われてからずっと、だ」[l][r] 大翔「……」[l][r] [r] 口篭ってしまう。[p] [cm] レンさんも、[l]あまり幸福な人生を歩んできたわけではなさそうだ。[l][r] 美優と似たような境遇なのだろうか?[l][r] レン「縛り付けて身体を保護するだけでは、[l]姫様の心まで縛ってしまう。[l]今日はそれに気付けて、よかった」[l][r] ; ●立ち絵変化 レン・私服(騎士)・表情(照れ)・位置(左) 大翔「僕は、お二人と遊べて楽しかったですよ」[l][r] ; ●立ち絵変化 レン・私服(騎士)・表情(笑顔)・位置(左) レン「……そうか」[l][r] [r] 恥ずかしい台詞を言って顔を赤らめたレンさんにすかさず自分の偽らざる本心をぶつける。[l][r] 首肯して、笑うレンさん。[l][r] いい雰囲気だ。[l][r] これから共同生活をやっていくわけだし、あちらへの印象はよい方がいい。[p] [cm] ; ●立ち絵 ユリア・私服(姫)・表情(通常)・位置(中央) ; ★BGM変化~No.3 無題 ユリア「おまたせしました~」[l][r] [r] 丁度ユリア様も出てきた。[l][r] レンさんも俺との話を切り上げ、[l]姫様に意識を向ける。[l][r] 電子時計を見ると、[l]そろそろ人が少なくなる時間帯だ。[l][r] 最後にどこかでお茶でも飲もうと提案し、[l]近場の喫茶店に入ることにした。[l][r] [r] 近場の喫茶店……。[l][r] 喫茶…………………………。[p] ; ▲SE チーン [cm] ; ★BGM変化~No.41 陽射 ; ●立ち絵変化 ユリア・私服(姫)・表情(困惑)・位置(中央) ; ●立ち絵変化 レン・私服(騎士)・表情(困惑)・位置(左) ユリア「メイ……ド喫茶……? 」[l][r] レン「メイド……あのメイドか? 」[l][r] [r] 一番近くにあった喫茶店がメイド喫茶だった。[l][r] なんというショッピングモール……。[l][r] 二人ともメイドの事は知っているらしい。[l][r] 流石はファンタジーな国出身。[l][r] 心なしかレンさんがうずうずしているようにも見える。[p] [cm] ; ●立ち絵変化 レン・私服(騎士)・表情(通常)・位置(中央) レン「興味があるな。[l]中にはメイドがたくさんいるのか? 」[l][r] 大翔「そうですね。[l]多分」[l][r] ; ●立ち絵変化 ユリア・私服(姫)・表情(通常)・位置(中央) ユリア「ここに入りましょうか? 」[l][r] 大翔「いや、[l]女性が入るところではないと思います」[l][r] [r] 入ろうとする二人を引き止めて向かいをみると、[l]ガラガラの喫茶店を見つけた。[l][r] あちらは普通の店のようだ。[l][r] 空いてはいるが雰囲気はよさそうなので、[l]そちらに入ってみた。[p] [cm] ; ▲SE ドア開 ; ▲SE ベルのなる音 ; ★BGM変化~No.17 目覚め ; ●立ち絵 ノア・スーツ(邪気眼)・表情(驚き)・位置(右端) ; ■背景変化~ショッピングモール・飲食店 乃愛「いらっしゃ……[l]おや、君達は」[l][r] 大翔「先生!? [l]なにやってるんですか!? 」[l][r] [r] ; ●立ち絵変化 ユリア・私服(姫)・表情(驚き)・位置(中央) ; ●立ち絵変化 レン・私服(騎士)・表情(驚き)・位置(左) 接客に出てきたのは、[l]なんと乃愛先生だった。[l][r] 後ろの二人も驚いているようだ。[l][r] ; ■背景変化~ショッピングモール・飲食店・席 ; ●立ち絵変化 ユリア・私服(姫)・表情(通常)・位置(中央) ; ●立ち絵変化 レン・私服(騎士)・表情(通常)・位置(左) ; ●立ち絵変化 ノア・スーツ(邪気眼)・表情(通常)・位置(右) 先生はとりあえず俺たちを席に案内し、座らせて注文を取ってから話をしてくれた。[l][r] なんでも先生の旧友、この店の店長に頼まれて一日だけアルバイトをやっているらしい。[l][r] 凄い偶然だ。[p] [cm] ; ●立ち絵変化 ノア・スーツ(邪気眼)・表情(苦笑)・位置(右) 乃愛「隣に流行のメイド喫茶が置かれたから、ここはすっかり閑古鳥でねぇ」[l][r] ; ●立ち絵変化 ユリア・私服(姫)・表情(笑顔)・位置(中央) ユリア「休日もご勤労なさっているとは、[l]素晴らしいですね~」[l][r] 乃愛「いやいや、そんな殊勝なもんじゃない。[l]昔の借りを返しただけさ」[l][r] レン「商売の世界は剣の世界と同じく厳しい、[l]と国王に聞かされたことがあります。[l][r] 旧友殿に応援していると伝えてください」[l][r] 乃愛「ああ……おっと、[l]お客さんだ」[l][r] [r] ; ▲SE ベルのなる音 ; ●立ち絵消去 ノア・スーツ(邪気眼) 先生は接客に向かっていった。[p] [cm] レンさんはここのコーヒーの味を気に入ったようで、[l]メイド喫茶よりこちらを贔屓気味になっていた。[l][r] 姫様には少々苦かったらしく、[l]尋常じゃない量の砂糖を入れている。[l][r] 俺も運ばれてきたコーヒーを飲む。[l][r] 苦味の中に旨味とちょっぴりの辛味がある、[l]独特の味だ。[l][r] 数少ない客の注文をとって回り、忙しそうに駆け回る先生を眺めながら、のほほんと時を過ごした。[l][r] ; ▼システム 暗転 ; ▼システム ウェイト 軽食をとり、[l]雑談に華を咲かせていると、[l]ふと店の時計が目に入った。[l][r] そろそろ帰らなくてはいけない時間だ。[p] [cm] レン「む、時間を忘れてしまっていたな……そろそろ帰るか」[l][r] [r] レンさんも時間に気付いたらしく、席を立った。[l][r] 砂糖コーヒーを飲み干したユリア様と俺も立ち上がり、レジに向かう。[l][r] 会計を済ませ、先生に挨拶をする。[l][r] ; ●立ち絵 ノア・スーツ(邪気眼)・表情(笑顔)・位置(右) ちゃんと学校きたまえよ、と釘を刺されてから喫茶店を出て、ティーオンを後にした。[p] [cm] 僕の世界は壊れない・第三話・選択肢後2
https://w.atwiki.jp/gran_kokuto2017/pages/29.html
題:未定 GM:戯者(ミズ) 場所:りある 時期:2017.8.20 予告: 2話から約2週間がたちました。 ブレイズスタンは平和です。 ブレイズのもとにはナパージュ卿から手紙が来ます。 ヒカリは偶然出会ったランディが美味しそうです。 クーデリカは、相変わらずうろうろしています。 ランディは、領民の健康状態に頭を悩ませています。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1593.html
第三話(13) ウェールズ悲哀の青春 その① 翌朝、ルイズは昨日会ったことを思い出せずにいた。 (確かワルドにベッドに倒されて…きっとあのあと…。) ルイズは直前の流れから結論を導き出した。 それを想像してルイズは真っ赤になる。 一方ワルドも似たような状況だった。 (抱きしめたところまでは覚えているんだが…。) つまりそのあとが全く覚えていない。 ルイズの照れている表情を見て、きっと成功したのだろうという結論を出す。 そしてやったであろうことを忘れているなんて知ったら、恐らく始めてであるルイズは悲しむだろう。 そうしたらルイズを振り向かすための今までの努力が水泡に帰してしまう。 そう思いワルドは、いかにも覚えているかのようにルイズに話しかける。 「熱い夜だったね。良かったよルイズ。」 その言葉を聞き、やっぱり一線を越えてしまったんだと思うルイズ。 よせばいいのにルイズも覚えているかのように話す。 覚えていないなんて言い出せなかった。 「そそそ、そうね。ととと、とても大きかったわね。」 ワルドはルイズの返答を聞き、成功したということに間違いはないようだと思った。 (ふふふ、これで結婚は確実だ。そしてクロムウェルを退け、僕はレコン・キスターになる!アイツから与えられた任務なんて関係ない。) ワルドは心中で高笑いを上げていた。 第三話(13) ウェールズ悲哀の青春 その② その日の夜。FFが食堂で水を飲んでいると、傭兵の集団が宿を攻めてきた。 正直FFは矢が刺さったりしてもそこまでダメージにはならないのだが、相手が多すぎるのでそうもいかない。 騒ぎを聞きつけて、やさぐれたマリコルヌ、真っ赤になっているルイズ、達成感のただようワルドが降りてきた。 「一体どうなっているんだね、ミス・ロングビル。」 「ワルドか。見ての通り襲われているんだ。おそらくレコン・キスタの雇った奴らだと思う。」 「そうか、わかった。ではここは二手に分かれよう。アルビオンで合流だ。スヴェルの夜の前だがなんとかなるだろう。僕とルイズとその使い魔で一組、残りの三人で一組の二組だ。」 「いいよなぁ…どうせ僕なんて。」 「傭兵たちは僕に任せなさい。これでもスクウェアクラスだ、時間はかかっても殲滅しよう。」 そう宣言するとワルドは戦闘態勢にはいった。 タバサ、FF、マリコルヌはシルフィードに乗り込みアルビオンに向かう。 「ユビキタス・デル・ウィンデ。」 ワルドの体が複数に分かれていく。風の偏在である。 本物のワルドはルイズを抱きしめて覆いかぶさっている。 その間にワルドの偏在は、確実に傭兵たちを殲滅させていっている。 暫くして、傭兵は一人残らず駆逐された。ルイズをお姫様抱っこしながら、ワルドは、先程まで傭兵たちの溢れていいた玄関から優雅に出て行った。 二人と一体は船乗り場に到着する。船長を無理やり説得し、船を出発させることに成功した。 出発して暫くすると、船が賊に拿捕される。ルイズとワルド、船員たちは船室に閉じ込められた。 そして少しすると、賊の一人が現れて話しかけてきた。 「あー、お前らはぁ、貴族派、だったりするのかぁ、もしかしたらだけどよぉ。」 「一体何なんだね。」 ワルドがそれに返す。だが実際、ワルドはレコン・キスタから、皇太子ウェールズが賊に身を窶しているとの情報をすでに聞いていたため、ウェールズたちだろうと理解した。 「俺たちは貴族派に贔屓にしてもらってんだよぉ。だから、だからだ。もし、お前らが貴族派だったら、特別に温情をかけてやろう、というわけなんだがなぁ。」 ワルドがどうやって信用を得ようか考えているところ、ルイズは我慢しきれずに口を出した。 第三話(13) ウェールズ悲哀の青春 その③ 「あんな品のないド低脳な連中なんかと一緒にしないで!王党派こそアルビオンに相応しいわ!それに私はトリステイン王女、アンリエッタ姫殿下からの勅使よ!王党派に用があるんだから!丁重に扱いなさい!」 憤慨するルイズ。それに男はあきれていった。 「お前こそクサレ脳味噌なんじゃあねえのかぁ。ここで正直に言うやつなんて本当に狂ってやがるぜ。蚤と同じで、そんなのは勇気とは言わないんだぜぇ。」 そういうと、男は一度頭に確認を取ってから、ルイズとワルドを看板に連れて行った。 そこでは如何にもな風貌をした、賊の頭が立っていた。 「君たちが王党派を支持するといった阿呆かね。」 頭は声を高くして笑った。 「そうよ、何か文句ある!」 ルイズは怒りで顔が真っ赤だ。 「いいや、ないよ。それでトリステインから一体何の用事なんだい?」 「そんなことアンタなんかに言うわけないでしょ、出直しなさい!」 ルイズは相変わらずだが、そのことに対してワルドは、[それでいい、それがベスト]、と思っていた。 案の定、このあと何回かやりとりをしたあと、信用したようで、付け髭や眼帯を取り、ウェールズがその姿を現した。 「私はアルビオン王国皇太子ウェールズ・テューダーだ。分け合って賊のふりをしていた、許してくれ。」 ウェールズが頭を下げた。それに対してルイズは先程までの無礼な行動を思い出し、焦ってそれを詫びた。 そうしてアンリエッタからの任務をつげ、手紙を渡した。 手紙を渡す過程において、ルイズが不安そうにしていたので、それは風のルビーを水のルビーに近づけることによってできる虹で、何とか納得させることに成功した。 「わかった。でもその手紙は王宮に置いてきているんだ。今から向かうから一緒についてきてくれ。」 こうして一行はアルビオンに到着する。 第三話(13) ウェールズ悲哀の青春 その④ 「到着だ。アルビオンにようこそ。」 ウェールズが船を下りた。 此処は隠し港で、貴族派は利用していないらしい。 「それにしても隠し港とは凄いなぁ。」 「FF!?」 ルイズは声のするほうを振り向いた。するとFFが鼻から上が隠れるマスクをつけていた。 「いつの間に到着したのよ。それにそのマスクはどうしたの。」 いつの間にか登場したFF一行にルイズは驚きを隠せなかった。 「実はルイズ達が賊に襲われているときにこっそり乗り込んでいてね。それで様子を伺ってたら、驚きの展開で…そのまま潜んでた。」 「どうして出てこなかったのよ!まぁいいわ、ここにいる理由はわかった。じゃあそのマスクのわけは?」 「これはこの体の方の事情だ。ちょっとわけありみたいでね。」 ルイズは、どうせ盗みに入ったときに顔でも見られたんだろうと思っていた。 すると急に抱きつかれた。 「あぁぁぁぁ、僕のルイズ、大丈夫だったかい。気が気じゃなかったよ。」 マリコルヌだ。もう普通?に戻っている。 「僕は二組に分かれたときに気が付いたんだ。例え君に彼氏がいようとも、君のことが心配なことに…。」 因みにワルドは婚約者だということを言っていたが、やさぐれたマリコルヌの耳には入ってこなかったのである。 「僕は君に振り向いてもらうように前より努力するよ。だって、君の事を愛しているから。」 ルイズは真っ赤になったが、昨日の夜のことを思い出し罰が悪くなった。 「離れたまえ!彼女は僕の婚約者だ。」 「ワ、ワルド…。」 ワルドが二人を引き離した。 「こ、婚約者だってぇぇ。…だけど僕は負けない、ルイズを振り向かせてみせる!」 「ほぉ~、だが君はもうしたのかい、ルイズと。僕はしたよ。ルイズの初めては君じゃあない!このワルドだっ!」 現在この場に残っているのはルイズ、マリコルヌ、ワルドの三人である。 第三話(13) ウェールズ悲哀の青春 その⑤ 「そうなのかい、ルイズ?」 マリコルヌは不安そうに聞く。それにルイズは軽く頷く。 「そうなんだ。僕の出る幕はもうないってわけだね。」 ルイズは俯いたまま顔を上げない。 「じゃあ、僕は二人の幸せを祈っているよ…。あと…何かあったら呼んでね…いつでも力になるから…。」 マリコルヌは淋しそうな顔をしながら王宮の奥へと去っていった。 「…ワルド、何もあんなことを言わなくても…。」 「いや、ここははっきりといったほうがいい。それが彼のためでもある。これで新しい恋を捜すきっかけにでもなるだろう。」 「…うん。」 ワルドとルイズも奥へと進んでいった。 タバサは相変わらず塞ぎ込んでいる。 しかし、普段から無口な彼女だ。そうそう違いに気が付けるものじゃあない。 その変化に気が付けるキュルケはもういないのである。 そこに心此処に在らずなマリコルヌが歩いてきた。 二人ともお互いに気が付かないようだった。 そして正面衝突をして、二人はその場に倒れてしまう。 「…ごめん」 「…ごめん」 お互いに謝る。全く同じ様に。 文だけ見たら、どちらがどちらかわからない。 前者がタバサ、後者がマリコルヌである。 特に言葉を交わすこともなく、二人は反対の方向に去っていった。 to be continued…
https://w.atwiki.jp/nicomad_srs_event/pages/760.html
[部分編集] http //www.nicovideo.jp/watch/sm9611896 投稿者コメント1.コメント2.コメント3.コメント この作品のタグ:第33回MAD晒しの宴 レビュー欄 元ネタ未視聴。 マンガとアニメを取り合わせたMADだろうか?流れる映像・コマ割り演出・トランジションなど、どれ一つとっても突っ込みようのない完璧な作品。 センス・技術力共にハンパないレベル。もはやプロの犯行としか・・・w。 元ネタ未見の私としては、間にキャラ紹介など入るともっと引き込まれたかも。 -- 名無しさん (2010-02-11 21 09 06) 名前 コメント 第33回MAD晒しの宴